肺浸潤について

「ワンちゃんの呼吸が苦しそう」とのことで来院される患者様が多くいらっしゃいます。

もしかすると、その子は「肺浸潤」という状態になっているかもしれません。

肺浸潤になっている子は、「病院で検査をしたら、肺炎・肺水腫と診断され薬を飲んでいるんだけど苦しそうなのが全く良くならない」ということで当院にいらっしゃる場合が多いです。

このように、肺炎でも肺水腫でもなく、「肺浸潤」という状態になっている子が最近増えてきています。

肺浸潤になってしまう原因として、肺高血圧症などが挙げられます。


上の画像は、肺浸潤になっている子の画像です。
その子をうつ伏せの体勢で上方向から撮影したレントゲン写真になります。

特徴としては、
・うつ伏せのレントゲンを撮ったときに心臓の形が逆D型に写る
・右側の心臓が大きくなっている
・心臓から肺にいく血管が太くなっている
・全体的に肺が白く写っている

などが挙げられます。


肺浸潤の子を横向きから撮影したレントゲン写真です。

一般的に誤嚥性肺炎の場合だと左下の部分が白く写り、心原性肺水腫だと肺門部(気管支分岐部)(右上部分)が白く写りますが、肺浸潤の場合は全体的に白くモヤモヤして見えます。

このようにレントゲンからでも肺炎でも肺水腫でもないことがわかります。

肺浸潤が疑われた場合は、エコー検査をすることで、肺浸潤の原因として多い「肺高血圧症」になっていないかをチェックします。

肺高血圧症になってしまう原因としては、気管や肺が石灰化してしまう基礎疾患(クッシング症候群など)がある場合や、遺伝的な肺線維症(ウェスティーに多い)などがあります。

肺高血圧症が原因で起こる肺浸潤の子は、肺高血圧症のお薬を飲むことで、1週間くらいで改善することが多いです。


先程の子がお薬を飲んで一週間ほどで改善したあとのレントゲン写真です。

「呼吸が苦しそうだけど薬を飲んでもなかなか良くならない、、」という場合は肺浸潤の可能性があるかもしれません。呼吸器や循環器の疾患は命に関わることもありますので、正確な検査による診断が重要です。

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